「外壁にいある細い板の部分の見栄えが悪くなってきているんだけど、塗装でなんとかなる?」
「外壁にある細い板って何の意味があるの?ただの飾りなら汚くなってるから外したい」
住宅によっては、外壁部分に細い板の装飾がほどこされていることがあるでしょう。1階と2階で異なる外壁材を使用している住宅などには、境界線となる部分に細い板が取り付けられているはずです。この板のことを「幕板」といいます。
幕板は一見、外壁にある飾りのように見えるかもしれませんが、実は重要な役割を果たしているものなのです。今回のお役立ちコラムでは、幕板についての基礎知識と劣化症状をお話していきます!
幕板とは?
幕板は、外壁に取り付けられている板状の装飾材や化粧材のことをいいます。おもに1階と2階で外壁材の素材をわけているような住宅に取り付けられていることが多いです。「帯板」と呼ばれることもありますが、同じ意味をもちます。
幕板に使用されている素材には以下のようなものがあります。
- ・木材
- ・窯業系サイディング
- ・複合樹脂
- ・アルミニウム
また、幕板は外壁の外側部分だけでなく、住宅の内側にも存在しています。飾りのように見えますが、縁の下の力持ちとして住宅の快適さを支えてくれているのです。
幕板の3つの役割

幕板は外壁をおしゃれに見せる飾りのように感じているかもしれませんが、役割はそれだけではありません。
幕板の役割にはおもに3つのことがあります。
- ・つなぎ目を隠す
- ・雨水侵入防止
- ・デザイン性の向上
つなぎ目を隠す
幕板は、素材の異なる外壁材のつなぎ目部分に設置されることが多いです。1階部分と2階部分で外壁材の素材を変えている場合は、全体的に見たときにつなぎ目に違和感がでてしまいます。
そんな違和感を隠すために幕板は設置されているのです。幕板があることで素材の違う外壁材を使った住宅も統一感のあるビジュアルに仕上がるのです。
雨水侵入防止
幕板は、別の素材の外壁材を組み合わせて造られている住宅に多く見られますが、その役割はつなぎ目を隠すだけではありません。外壁材のつなぎ目はわずかな隙間ができているため、そこから雨水が侵入してしまう可能性があります。
幕板を取り付けることで隙間を塞ぎ、雨水の侵入経路を遮断できているのです。雨除けカバーとしての役割ももっているため、幕板の重要性は高いのです。
デザイン性の向上
幕板のある住宅とそうでない住宅を比べてみると、やはりアクセントの違いがでます。幕板があることで、外壁のデザインにアクセントが加わり一味違うビジュアルになります。住宅によっては、幕板部分だけ色を変えてアクセントカラーを塗装しているところもあるほどです。
横ラインでベルトのように取り付けられていることが多いですが、デザインによっては縦に取り付けられている場合もあります。中には、デザイン性の向上のために幕板を取り付けることもあるほど、幕板の可能性は無限大です。
幕板の中には、形状や彫刻などのデザイン性の高いものもあり、何を選ぶかによって住宅全体のデザイン性を左右しているのです。
幕板でおこりやすい劣化症状は?

幕板は外壁の中でも劣化しやすい箇所です。幕板におこり得る劣化症状には以下のようなものがあります。
- ・塗膜のはがれ
- ・シーリングの劣化
- ・ひび割れ
- ・膨張
- ・雨漏り
幕板は、外壁材同士をつなぐように取り付けられており、外壁から突き出ているような状態になっています。そのため、幕板の上部に雨水があたりやすくなり、集中的に劣化が進行しやすいのです。雨や汚れが溜まりやすいため、サビや腐食がおこるリスクが高い箇所です。
幕板の塗装やシーリングが劣化すると、幕板自体のひび割れが発生することもあります。そうなると、隙間から雨水が侵入して雨漏りにつながってしまうのです。幕板の弱点は防水性の維持がしにくいことです。塗装やシーリングで防水性を高めていても、雨水があたりやすい幕板上部は劣化が進行しやすいため注意しましょう。
ここ数年で、線状降水帯の発生による豪雨や大型台風も目立つようになりました。大雨のあとや雨季が終わったあとは幕板の様子をチェックしてみましょう。スマートフォンのカメラの望遠機能を使って観察したり、2階部分の窓から見える範囲で様子を見てみたりすると、劣化の早期発見ができます。
もちろん、幕板は住宅の上部に位置しているため、危険がともなう場合は無理をして自分でチェックしないようにしてくださいね。プロに住宅の劣化診断を依頼して、外壁や屋根と合わせて様子を診てもらいましょう。お気軽にペンテックまでご相談ください。